小学校の時、音楽の教科書にドナドナという歌が載っていました。
仔牛が市場に売られていく様子を歌った悲しい誌とメロディーは音楽の教科書の中でヒトキワ異彩を放っていました。
小学校でドナドナを歌ってからウン十年後、まさか自分の仕事がドナドナと密接に関連する(笑)とは夢にも思いませんでした。
別に牛を育てたり売ったりする仕事をしているわけではないのですが。
IT業界で言うドナドナの意味
IT業界でドナドナと言ったら仔牛が位置に売られていく歌のことではありません。
プログラマーやSEといったエンジニアを顧客の事業所で作業させる一連の流れのことです。
顧客へのエンジニアの売り込み、顧客とエンジニアとの打ち合わせ、顧客の事業所への入場手続きなどなどです。
ドナドナの用例
「僕ドナドナされちゃいましたよ」
客先へ常駐することになった時。
僕は嬉しそうな顔でこの言葉を言う人を見たことがありません。
みな残念そうな顔をして言っていまいした。
「これがコケればみんなドナドナだ」
請負開発(受託)と客先へのプログラマーの派遣を両方やっている会社での用例。
請負開発には開発失敗というリスクがあります。
そもそも成果物を納品できなければまったくお金になりません。
納品が遅れれば顧客からの信用を失うだけでなく、自社のプログラマー達には遅れた期間の給料も払わないといけません。
もちろん大多数のプログラマーは客先より自分の会社で働きたいと思います。
でも請負開発の失敗が続くと会社は立ち行かなくなります。
でもそんな受託ができないプログラマーでもドナドナすれば……会社は安定した収入を得られます。
ドナドナと商流
いい悪いは別にしてIT業界とドナドナは切っても切れません。
しかし、同じドナドナなら上の「商流」でドナドナされるようにすべきです。
いずれドナドナすらされなくなる現実
ドナドナは悲惨ですが、ある意味ありがたくもあります。
若くて元気な仔牛は買ってくれる人がいるからこそドナドナされるのです。
年老いた牛になってしまえばドナドナすらされなくなってしまいます。
そうなってしまう前にドナドナとは無縁の会社に転職しなければなりません。
年老いた牛になってからではIT業界の転職は不可能になるからです。
年老いてから他の業界で働くのは惨めな思いをする可能性が高いです。
ドナドナされた金を全部自分でいただく
また、IT業界がドナドナだらけなのを逆手にとる方法もあります。
自分を売った金を会社にピンはねされることなくほぼ全部いただくためにフリーランスとなるのです。
もちろん、会社員としての安定は捨てることになります。
しかし、そもそもドナドナ会社の正社員に安定なんて望めるんでしょうかね……