
ソフトウエアは一度開発してしまえば、原材料費ほぼ無しにいくらでも売ることができます。
販売やサポートなどの手間はたしかにあるにせよ、原材料費がないというのは電化製品や車などの他の工業製品にない大きなメリットです。
つまり、ソフトウエアには莫大な利益を生む可能性があります。
そのソフトウエアを開発したプログラマはたとえサラリーマンでも会社が莫大な利益をあげればボーナスはもちろん給料も本来なら相当貰えるはずです。
しかし、日本の年収ランキングなどにはプログラマは登場しません。
それどころか、プログラマはIT土方などと呼ばれ、長時間残業と低賃金にあえいでいる人も少なくありません。
紙幣でも刷るようなソフトウエア販売
海外ではソフトウエアの特性を大いに活かし、莫大な利益をあげるソフト会社はいくつもあります。
原材料費無しでまるで紙幣でも刷るかのように利益をあげています。
そのようなソフト会社のプログラマは実際に高い年収を手にしています。
冒頭で年収ランキングなどにはプログラマは登場しません、と書きましたがあくまで日本の話です。
アメリカの職業別年収ランキングではSoftware ArchitectやSoftware Developerなどが上位に入っています。
でも日本では違います。
なぜでしょうか?
販売をしない会社は大きく儲からない
原材料費ゼロのソフトウエアの特性で儲ける会社の第一条件は、会社がソフトウエアの開発はもちろん、企画と販売も行っていることです。
この条件にあてはまるのは、いわゆるソフトハウスと言われる会社だけです。
日本でソフトウエア開発を本業のする会社はゲーム系以外はほとんどこの条件にあてはまりません。
請負開発型のソフト会社は顧客の依頼するソフトウエアを納品して契約で決めた金額を貰ます。
納品後、顧客のソフトが売れようが売れまいが関係ありません。
ソフトウエアが売れない場合のリスクは顧客が負っています。
派遣型のソフト会社は派遣スタッフを顧客の事業所に派遣してお金を貰います。
顧客の開発がどうなろうが、できあがったソフトが売れようが売れまいが関係ありません。
ソフトウエアの開発が失敗する、開発できても売れない場合のリスクは顧客が負っています。
ではソフト会社の顧客は出来上がったソフトウエアを原材料費無しでまるで紙幣でも刷るかのように・・・ かというとそうでもありません。
ほとんどの場合、顧客はソフトウエアを何からのハードウエアかサービスと組み合わせて販売しています。
ここで原材料費無しで・・・という前提が崩れてしまいます。
つまり、ソフトウエアの特性を活かして大金を得るという夢を追う会社をやるのであれば、請負開発と派遣はありえない、というわけです。
パッケージからサービスに時代は変わった
残念ながら「ソフトウエアは原材料費ゼロで販売できる」という時代は終わりつつあります。
ソフトウエアはパッケージを購入してインストールするものでなく、「月額いくら」などでサービスを使う時代になりました。
「パッケージ」から「サービス」に時代が移り変わったことで、サービスを動かし続けるコストが必要になってしまい、まるで紙幣でも刷るかのような利益はあげづらくなってきています。
プログラマーが年収を上げるには?
つまり、プログラマの仕事で高い年収を得る王道は以下のいずれかです。
- 優れたソフトウエアサービスの会社で働く
- またはそのような会社にソフトウエア技術を提供できる会社で働く