
プログラマーは会社に入って最初に与えられる役職です。
欧米の会社ではプログラマーという独立した職業がありますが、日本のほとんどのIT関連企業では、出世の最初の段階という位置づけになっています。
日本では入社して新人教育が終わると、プログラマーとして習った言語を活用して開発する職場に配属されます。
その職場では先輩社員、ベテラン社員がいて、それらの社員が設計したドキュメントを渡されてプログラミングをするという仕事を与えられます。
ドキュメントの読みこなしやいかに効率的にプログラムを作成するかという技術を一通り学ぶわけです。
プログラマーとしての役職を何年か務めるとSEとなり、上流工程の設計を任されるようになります。だんだん仕事の範囲が広がるとともに、もはやプログラミングの仕事は後輩に任すようになります。そしてさらに何年かすると、プロジェクトマネージャとしての役職になるわけです。
もちろん全員がこのような出世経路を通るわけではありませんが、標準とされる経路はこのようなものです。年を経るのにしたがって果たす役割が広がっていき、それと共に年収も増えていくわけです。
社員として働く限り、プログラマーは最終目標ではなく、その後に続くSE、プロジェクトマネージャの最初の段階なのです。だから収入を増やすためには上を目指して努力を重ねていくという構造が定着しているわけです。
IT業界の社員の平均年収
IT業界で働く30代社員の職種別平均年収は、ほぼ次のようになっています。
プロジェクトマネージャー | 800万円以上 |
---|---|
ITコンサルタント | 700万円前後 |
社外SE | 550万円前後 |
社内SE | 500万円前後 |
IT営業 | 500万円前後 |
プログラマー | 480万円前後 |
運用、保守 | 460万円前後 |
これを見るとプログラマーはかなり下のレベルであるといえます。つまり、会社では業務の経験を積んで専門性を身につけた人が年収は高くなるのです。
この年収表はあくまでも平均値であり、ある程度の幅があります。また、企業の業種や規模によっても違い、一概にこうであるとは言い切れません。傾向としてとらえればいいでしょう。
フリーランスプログラマーの年収と会社員の年収比較
それではフリーランスのプログラマーと会社員ではどのような違いがあるでしょう。
IPA(独立行政法人情報処理推進機構)が毎年出している「IT人材白書2016」によるとフリーランスエンジニアと会社員の年収に関して以下のような調査結果が書かれています。
IT企業技術者 | フリーランス | |||||
---|---|---|---|---|---|---|
30代 以下 | 40代 | 50代 | 30代 以下 | 40代 | 50代 | |
〜299万円 | 21.9% | 5.0% | 4.1% | 35.3% | 32.6% | 31.2% |
300〜499万円 | 50.1% | 29.6% | 19.3% | 27.9% | 31.8% | 29.8% |
500〜699万円 | 21.3% | 35.7% | 32.4% | 19.1% | 15.5% | 19.7% |
700〜999万円 | 5.5% | 24.7% | 32.4% | 8.8% | 14.0% | 17.0% |
1,000万円〜 | 1.2% | 5.0% | 11.9% | 8.8% | 6.2% | 2.3% |
フリーランスの場合、年齢によって年収の差が表れにくいと言えるでしょう。
フリーランスでは30代以下のエンジニアのうち、年収1,000万円以上の人が8.8%もいます。
会社員ではわずかに1.2%です。
フリーランスの場合、自己研鑽などでスキルを磨くことによって、若くても高額の収入を得ることができるようです。
あるWebプログラマー(28歳)は、会社員時代には年収350万円だったのが、独立して5年経った今では年収600万円になったそうです。
ただ、フリーランスとして大幅に年収を上げたいなら、クライアントが求める技術力、スキルを磨いて常にニーズに応えられるような力を普段からつけておくことが必要です。
また、「エンド直請け案件」を多数抱えるフリーランスのエージェントとつきあうことが重要です。
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